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SAUNATIGER(サウナタイガー)まとめ:高級個室サウナの概要、火災事故と営業停止に至る経緯

SAUNATIGER(サウナタイガー)まとめ:高級個室サウナの概要、火災事故と営業停止に至る経緯

東京都港区赤坂に位置する「SAUNATIGER(サウナタイガー)」は、2022年8月にオープンした会員制の高級プライベートサウナです。「孤独に戦う人々の癒しの場」をコンセプトに、完全個室の贅沢な空間と、飲食代が含まれる「オールインクルーシブ」なサービスで高い評価を受けていました。

しかし、2025年12月に発生した死亡事故により利用客2名が亡くなるという痛ましい事態が発生しました。その後の警視庁による捜査で、施設の管理体制や構造的欠陥が次々と明るみに出た結果、SAUNATIGERは現在、営業を停止しています。本記事では、SAUNATIGERの概要から、事故の経緯、そして捜査によって明らかになった重大な管理不備について詳細に解説します。

目次

1. 高級個室サウナ「SAUNATIGER」の魅力と特徴:赤坂で提供されたオールインクルーシブ体験

SAUNATIGERは、従来の公衆浴場型サウナとは一線を画し、徹底的にプライバシーを重視した高級志向の施設として設計されました。そのラグジュアリーな設計とユニークなサービスモデルは、都心の富裕層やプライベートな時間を求めるビジネス層から大きな注目を集めていました。

1.1. 「孤独に戦う人々の癒しの場」コンセプトと東京都港区赤坂の立地

同施設は、2022年8月に東京都港区赤坂という都心の一等地でオープンしました。設立コンセプトは「孤独に戦う人々の癒しの場」。都市生活の喧騒から離れ、完全に独立した空間で心身をリセットできる場所を提供することを目指していました。

1.2. 徹底されたプライバシー保護:水風呂完備の完全個室サウナ制

SAUNATIGERの最大の特徴は、その完全個室制にあります。1名から最大4名まで利用可能な個室が完備されており、他の利用客と顔を合わせることなく、プライベートな時間を過ごすことができました。各個室にはセルフロウリュが可能なサウナストーブと、専用の水風呂が設けられており、利用者は人目を気にすることなく、自分好みの設定でサウナ体験を追求できました。

1.3. 高評価のサウナ飯(サ飯)とアルコールも含む「オールインクルーシブ」サービス

SAUNATIGERが提供するもう一つの革新的なサービスが、飲食代金が全て含まれた「オールインクルーシブ」モデルです。1階のラウンジでは、担々麺、生姜焼き、ハンバーガー、スパゲッティなどの本格的な料理や、アルコールを含むドリンクが食べ飲み放題(オールインクルーシブ)で提供されていました。このサービスの充実度が、高価格帯でありながら多くの利用者に受け入れられた要因の一つです。

1.4. 都内最高級の料金設定:ビジター19,000円〜、ダイヤモンド会員月額39万円

提供されるサービスの質とプライバシーのレベルに比例し、SAUNATIGERの料金設定は都内でもトップクラスの高価格帯でした。非会員のビジター利用でも1回19,000円からという設定。さらに、最高ランクとされる「ダイヤモンド会員」の月額料金は390,000円に達する、非常に高額な設定となっていました。

1.5. 監修者と運営管理体制:ジローラモ氏のPR支援と運営実務の分離

オープン当初、タレントのパンツェッタ・ジローラモ氏が「監修」や「ゼネラルマネージャー」として紹介され、施設のプロモーションを担っていました。しかし、事故後の公表により、同氏は施設プロモーションのPR支援のみに関わっており、実際の施設運営や管理業務には一切関与していなかったことが明らかにされました。この事実は、事故後の運営管理責任の所在を明確にする上で重要な情報となりました。

2. SAUNATIGER火災事故の全貌:2025年12月に発生した痛ましい犠牲と経緯

高い評価を受けていたSAUNATIGERですが、2025年12月15日正午過ぎに発生した重大な火災事故により、悲劇的な結末を迎えました。この事故は、施設の安全管理に対する信頼を根底から揺るがすものとなりました。

2.1. 事故発生日時と現場:2025年12月15日正午過ぎ、3階個室サウナ室内の惨事

火災事故は、2025年12月15日正午過ぎに、SAUNATIGERの3階に位置する個室サウナ室内で発生しました。火災自体は小規模であり、サウナ室内のベンチの一部が焼ける程度にとどまりましたが、人命が失われる最悪の事態となりました。

2.2. 犠牲者2名の状況:脱出困難を示唆するサウナ室出入り口付近での発見

この火災により、利用中だった美容室経営者の男性(36歳)と、ネイリストの妻(37歳)の夫婦2名が亡くなりました。現場では、2人がサウナ室の出入り口付近で、折り重なるように倒れた状態で発見されました。この状況は、彼らが外部への脱出を試みたものの、何らかの理由で室内から出られず、閉じ込められた可能性が極めて高いことを示唆しています。

2.3. 死因に関する調査:高温環境による熱中症、焼死、一酸化炭素中毒の可能性

火災が小規模にとどまったにもかかわらず犠牲者が出たことに対し、警視庁は死因について以下の複数の可能性を指摘し、慎重に捜査を進めました。

  • 熱中症: 高温環境に長時間いたことによる熱中症。
  • 焼死: 火災による直接的な熱傷。
  • 一酸化炭素中毒: 密閉された空間で発生した煙やガスによる中毒。

脱出経路が絶たれた結果、サウナ室内の極度の高温環境が、短時間で利用客の生命を奪う致命的な要因となったと見られています。

3. 事故原因を決定づけた構造的欠陥と管理体制の崩壊:SAUNATIGERの重大な不備

警視庁の捜査が進む中で、事故が不可避なものではなく、施設側の構造的欠陥と、人命に関わる管理の重大な怠慢が複合的に作用した結果であることが判明しました。これらの欠陥は、利用客の緊急時の脱出・通報を完全に機能不全に陥らせていました。

3.1. 密室からの脱出を断った構造的欠陥:回転式木製ドアノブの脱落

サウナ室のような密室空間では、緊急時に迅速に脱出できる構造が必須ですが、SAUNATIGERでは、回転式の木製ドアノブが採用されていました。事故時、このドアノブが内側・外側の両方とも外れて床に落ちていたことが確認されました。これにより、サウナ室内に閉じ込められた夫婦は、自力でドアを開けて脱出する経路を完全に失ってしまいました。このドアノブの構造的な欠陥が、人命を救えなかった決定的な原因の一つです。

3.2. 命綱とならなかった非常ボタン:強く押された形跡と機能不全

ドアからの脱出が不可能となった際、利用者が最後に頼るのが非常通報システムです。サウナ室内の非常ボタンには、繰り返し強く押された形跡があり、夫婦が必死に助けを求めていたことが推測されます。しかし、このブザーは店内に響くことはありませんでした。

3.3. 捜査で判明した驚愕の管理怠慢:非常受信盤が約2年間停止していた事実

非常ボタンが作動しなかった理由は、単なる故障ではありませんでした。1階事務室にある非常受信盤の電源が、施設のオープン以来約2年間、一度も入れられていなかったという驚愕の事実が判明したのです。これは、最高級のサービスを提供しながら、人命を守るための最も基本的な安全設備を、意図的に(あるいは怠慢により)機能しない状態に放置していたことを示しています。この管理責任の怠慢こそが、悲劇を決定づけた最大の要因とされています。

3.4. 火災の直接原因に関する調査:サウナストーンへの接触、電気系統トラブルの可能性

火災の直接的な出火原因については、警視庁が慎重に調査を続けています。現時点で指摘されているのは、サウナストーンにタオルが接触したことによる着火や、電気系統のトラブル、セルフロウリュ時の事故など、複数の可能性です。出火原因が何であれ、ドアノブの脱落と非常ボタンの機能不全という二重、三重の安全対策の欠如が、火災による人命喪失という最悪の結果を招きました。

4. 事故後のSAUNATIGERと業界の未来:営業停止、業務上過失致死容疑での捜査、安全基準見直し

SAUNATIGERの火災事故は、運営会社であるSAUNA&Co株式会社に深刻な影響を与えただけでなく、急成長を遂げていた日本の個室サウナ業界全体に、安全管理と法規制のあり方について重い課題を突きつける結果となりました。

4.1. SAUNA&Co株式会社の対応:火災発生の謝罪とSAUNATIGERの当面営業停止

事故発生を受け、運営会社のSAUNA&Co株式会社は、火災発生の事実を認め、犠牲者とその遺族に対して深く謝罪しました。そして、安全確保と原因究明が完了するまでの間、SAUNATIGERの営業を当面の間、停止することを正式に発表しました。

4.2. 警視庁による徹底捜査:安全管理義務違反と業務上過失致死容疑の追求

警視庁は、非常受信盤の電源が長期にわたり切られていた事実や、ドアノブの構造的欠陥が利用客の死亡に直接結びついた可能性を重視しています。このため、運営会社の経営陣や施設管理責任者に対し、業務上過失致死容疑も視野に入れた慎重な捜査を進めています。捜査の焦点は、安全管理を怠った具体的な責任者を特定し、法的責任を追及することに置かれています。

4.3. 業界全体への影響:急成長する個室サウナの安全基準(ドア構造、点検義務)見直し

今回の悲劇は、個室サウナ業界に対し大きな波紋を広げました。プライバシーを重視する個室型施設特有の安全対策、特に密室からの脱出や通報システムの確実性が、業界全体の緊急課題として浮上しました。

  • ドア構造の安全性: 消防法や建築基準法に基づき、緊急時に内側から容易に開閉できる構造の義務化が再検討されています。
  • 非常設備の点検義務: 非常通報システムを含む安全設備の機能点検の頻度と記録について、厳格な運用基準の策定が求められています。
  • 従業員の緊急時対応: 異常発生時の迅速な対処手順や、適切な通報訓練の確立が重要視されています。

この事故は、プライベートサウナの急成長に伴い、安全基準の整備が追いついていなかった現実を露呈させ、業界全体の抜本的な安全基準見直しを加速させる契機となりました。

4.4. 事故が示す教訓:プライバシー重視の「安心」と崩壊した「安全」の土台

SAUNATIGERの事例は、高級施設が提供する「安心」と、利用者の命を守る「安全」が乖離していた状態を象徴しています。これは、しばしば「最高級の金庫のような個室を用意しながら、その内側から鍵が壊れた際の脱出装置を一度も点検していなかった」と比喩されます。高いプライバシーを売りにしながら、最も基本的な安全設備が機能停止状態であったという事実が、今回の悲劇を招きました。SAUNATIGERの事故は、目に見えない場所における安全管理の重要性と、業務における管理責任の重さを、社会全体に強く訴えかける教訓となりました。

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